活動日誌

緊急セミナー「『子どもの最善の利益』を守るために」を開催しました。

12月23日、全国保育士会は、全国保育協議会(以下、全保協)と共同で、緊急セミナー「『子どもの最善の利益』を守るために」を開催しました(オンラインによるリアルタイム配信/延べ2,533名が視聴)。

本セミナーは、保育所・認定こども園等で虐待が行われていたことを受けて、すべての保育所・認定こども園等において、子ども主体、子どもの権利擁護という保育の基本を再確認したうえで、日々の保育を改めて見直す機会とするため、開催したものです。

セミナーでは、まず全保協奥村会長より「施設長として」と題し、子どもの最善の利益を守る保育を行うために施設長として実施してほしいこと等をお伝えしました。子どもの最善の利益を保障した保育とはどういうものか考え見つめ直してほしいこと、施設長が職員と話し合う機会や職員間で話し合う機会を持ってほしいことを伝えたうえで、職員配置や職員不足、処遇、コロナ禍などが、虐待を行ってしまう言い訳にならないよう、施設長が積極的に調整を行い、すべての子どもたちの心身ともに健やかな成長と、子どもたちの笑顔につながる環境をともに作っていきましょうと呼びかけました。また、今回の事件を受けて、自園でどのような研修を行ったか、職員の話し合いを持ったかなどについて、保護者や地域に発信してほしいと伝えました。

続いて、全国保育士会村松会長より、「保育士・保育教諭等として」と題し、「全国保育士会倫理綱領」作成の経緯や、保育所保育指針に書かれている保育所や保育士の役割をお伝えするとともに、全国保育士会が作成している「人権擁護のためのセルフチェックリスト」作成の経緯、目的を解説しました。「セルフチェックリスト」は、自らの園の保育を振り返り、言語化するツールとして、チェックリストを用いて園の保育を職員同士で語り合う風土を作ってほしいことをお伝えしました。そのうえで、この機会に、保育に携わる職員一人ひとりが子どもへの言動を振り返って、見つめてほしいことをお伝えし、本セミナーを通じて、倫理綱領の真の実践、保育への姿勢を共有しましょうと呼びかけました。

その後、関西大学教授山縣文治氏より、「子どもの権利・主体としての子ども」と題し、「子どもの権利を守る」「子どもの最善の利益」とはどういうことなのか、「児童福祉法」や「保育所保育指針」を紐解きつつ解説いただくとともに、保育者として「子どもの最善の利益」を守る保育を行うにはどのようなことに気をつける必要があるのか講義が行われました。

全国保育士会北野副会長からは、「『人権擁護のためのセルフチェックリスト』の活用~実践例を通して~」と題し、自園で「セルフチェックリスト」をどのように活用しているか、その活用方法が伝えられました。「セルフチェックリスト」は、「レ点を記入するだけにならないように、具体的な言葉や対応を考えるきっかけ」にして、「環境、背景の違う子どもに対して、同じ対応ではないはず。一人ひとりを尊重することを自然なかたちで」行うことをめざし、「園内研修にも無理なく展開し、自園ならではのリストができることで、理念の共有」に繋げていることが伝えられました。

最後に全国保育士会および全保協事務局を担当している全社協児童福祉部より、12月20日付けで出された社会福祉施設協議会の「虐待・権利侵害の根絶に向けた行動宣言~さらなる人権尊重・尊厳保持の実現に向けて~」に関し、その要点をお伝えしました。

 

本セミナーは、この後、12月28日(水)~2月17日(金)動画配信いたします。当日ご参加いただけなかった方はぜひご視聴ください。

【動画配信日時】令和4年12月28日(水)~令和5年2月17日(金)

【動画配信URL】全国保育士会の「会員専用ページ」に掲載

【資     料】全国保育士会の会員専用ページに掲載

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