保育士がこたえる子育てQ&A

1~2歳

Q

和式トイレの使い方が分からず戸惑う姿があります。また排尿をした時に便器から外してしまったり、衣服を汚してしまったりする事もあります。
家や外出先は洋式トイレですが、小学校へ進学すると和式トイレの場合があります。その場合、うまく使えるようにどのような事に気をつければよいですか?

A

子ども達が和式トイレを苦手とする原因として

①足をしっかりと広げ、またげない
②両足を踏ん張り、しゃがめない

という理由があるようです。

「しゃがむ」という動作は和式トイレをうまく使ううえでとても重要な動作です。まずはお子さんがかかとをつけてしゃがめているかチェックしてみましょう。

もしバランスを崩すなど、しゃがめない現状があるようなら、足首を柔らかくする為に足首をぐるぐるまわすなどのストレッチをおすすめします。

実際に和式トイレに座った時には両足が外側を向かないよう、足先を揃える事で排尿が便器から外れるという場面も減ってきます。足を便器の前方に置く事も失敗を減らすポイントです。

Q

2歳3ヵ月の女の子です。
おしっこの間隔が5~6時間もあり、量は多目なのですが、間隔の長さが気になっています。

A

量が多めでしっかりと出ているのであれば、しばらく様子を見る方向でよいと思います。

仮に水分をしっかり摂っているにも関わらずおしっこの量が少なめであるということであれば、医師等の専門機関の受診をおすすめします。

Q

1歳6ヵ月の男の子です。
便秘症で、便が出たあと時々出血してしまいます。機嫌もよく、食欲もあるのですが、大丈夫でしょうか?

A

乳児は腸の働きがまだ十分ではないので、便秘になりやすいようです。機嫌もよく食欲もあるのでしたら心配はないと思います。

しかし、便をする時に痛みを感じて、便をするのを嫌がり我慢してしまうと、ますます便秘になってしまいます。便秘にならないように水分を十分飲ませたり、繊維質の野菜を多くとるように食事に気を付けたりしましょう。また、しっかり運動ができるよう戸外へ誘い遊ばせてあげることも大切です。

心配な時は、ひどくならないうちにかかりつけのお医者さんを受診してくださいね。

Q

2歳3ヵ月の女の子です
布おむつがほとんどで、寝る時と出かける時のみ紙パンツを使っています。この夏がちょうどよい時期と、トイレトレーニングを始めようとしました。
しかし、今ちょうど反抗期でどんな事をするにも「いやだ・・」と言ってなかなか思うようにできません。第1子で経験もなく、また一日二人で過ごしていますので、反抗期と分かっていても疲れてしまいます。
身近な人の話を聞いたりしてゆっくりでよいという気持ちと、あせもができそうなおしりをみると少しでも早くと思ってしまいます。

A

焦らなくてもよいという気持ちと、少しでも早くパンツに切り替えてあげたいという気持ちで一杯になりますね。

個人差もあり、また排泄の間隔がどれくらい空いているかによっても違いますが、おむつ交換のたびに濡れていて、その間隔が短いようでしたら、まだトイレトレーニングの時期には早いかもしれませんね。

身体のしくみとして、まず膀胱に尿がしっかりと貯めることができること。それができた上で、脳からのはたらきかけにより排出するというシステムができ、自然とそのタイミングがつかめてくるようになります。

トイレトレーニングもタイミングをはかりながら、起床時や睡眠前、入浴前などお母さんやお父さんが無理なく誘い、興味を向けてみてはいかがでしょうか。

またこの時期は、自我も芽生え、反抗期の時期でもあり、何を言ってもだめなときがあります。また、ちょっとしたことで気持ちが向いて、頑張ろうとしたりもします。

嫌がらずにトイレに座れたり、排泄に成功したときには、たくさんほめて意欲が持続できるようにしていきましょう。

Q

まもなく2歳になる女の子です。
最近、おしっこが出たときにじっと動かなくなったり、おむつの股のあたりをさわったりします。
まだ、言葉で「おしっこ」と伝えにくることはないのですが、そろそろトイレトレーニングを始めたいと思っています。どのように始めたらよいですか。

A

自分で「おしっこが出た」という感じが分かってきているようですね。おまるやトイレに座る時期は、個人差があるので、気を楽にして始めてみてください。

まず、できればおまるをご用意ください。一般の便座に補助便座をつける方法もありますが、それでは足がぶらぶらして落ち着かず、遊んでしまったり怖がったりすることがあります。その場合は足が落ち着くように台などを用意しなくてはなりません。おまるのデザインや機能性も気になるところですが、お子さんがまずは「おしっこをする場所というものがあることを学び、そこに座る」ことに慣れるのが第一なので、安定感がありお子さんが座って安心できるものを選んでください。そして、なるべくトイレの近くで、汚れてもすぐふき取れるところに置いて座るようにするとよいでしょう。

次に、お子さんのおしっこの出る間隔を見計らい、眠りから目覚めたあとや、食事のあとにお子さんをおまるに座らせてみましょう。お母さんがそばで見守りながら、優しく声をかけてあげるとおまるを嫌がらず安心してくれると思います。もし、嫌がる場合は無理強いせず、そして長時間座らせることなく、「また、あとでしようね」と声をかけるようにします。

これを習慣にするうちに、すすんでおまるに座るようになり、偶然でもおまるでおしっこができたら、「えらかったね」、「気持ちがいいでしょ」とたくさんほめてあげてください。「おまるでおしっこすることは良いことなのだ」と気づき、意欲につながります。また、天気の良い日などにパンツをはかせてあげてもよいですね。失敗しても叱らずに、「おしっこ出て気持ち悪かったね」と声をかけて取り替えてあげましょう。

トイレトレーニングは、行きつ戻りつの繰り返しです。夏におむつを外せたのに、冬になるとまたおむつが必要になることも、多くのお子さんでみられます。気長に焦らずゆったりした気持ちでトイレトレーニングを進めていくとよいと思います。

3~4歳

Q

3歳の男の子です。
2歳半頃から便秘症で食事もいろいろ工夫しているのですが、なかなか改善されず、最近ではほとんど浣腸に頼っています。どうしたらよいでしょうか。

A

硬くなってしまった便は、排便時に苦しんだり、痛み、出血があったりして、幼い子どもたちの場合は傍で見ているのが辛くなることもあります。

子どもたちはたくさん汗をかくので、水分不足になっていることがあります。また、腸が未成熟で、便を押し出す機能が十分でないことも考えられます。

繊維性の食品、水分摂取に気を付け、食生活で腸の蠕動(ぜんどう)運動を促す工夫や、適度に体を動かして遊ぶことを継続していきましょう。お腹を温めて、のの字に優しくマッサージすることも効果があります。

頑固な便秘は早めに医師等の専門機関でお子さんにあった治療の方法を相談することをおすすめします。

Q

3歳の女の子です。
1ヵ月前から紙おむつをから布パンツにしました。今では、トイレでおしっこができるようになり、おねしょもしません。
しかし、うんちがトイレでできません。「うんちが出そう。」と教えてくれるので、トイレに座らせるのですが、座ると「やっぱり出ない。」と言ってやめてします。
トイレでできるようにするには、どうしたらよいでしょうか。

A

おむつがはずれ、おもらしもしないということでお母さんもだいぶ楽になりましたね。うんちはまだのようですが、出そうな時はちゃんと伝えることもできるので、とてもすばらしいことだと思います。まずは、十分にほめてあげてください。

まずお家のトイレは、お子さんがきちんと両足を地面につけて、うんちをふんばれるような安定した環境になっているでしょうか。この時期の子どもは、筋肉が未発達の状態でふんばる力が弱いです。保育所の子ども用のトイレやおまるではできても、大人用のトイレやそれに一回り小さい補助便座をつけたトイレではなかなか力が入らずうんちが出ないようです。その場合は、お子さんの足の長さにあわせて足台を用意してみてください。踏み台や空の牛乳パックを重ねて固定させたものでもよいでしょう。

また、うんちをトイレでするのを嫌がったり、出すことができない子どもは保育所でもときどきいます。どうしてなのかと聞いてみるとうんちが恐いという声がありました。うんちを出すまでは力を込めますが、うんちを出す瞬間は全身の力を緩めないと出ません。体の緊張レベルが高く、ふだん体に力を入れながら生きている子どもは、この「全身の力を緩める」ということが不安らしいのです。ですから、強く言ったり注意したりしてしまうと、かえって緊張が増して出るものも出なくなってしまいます。

方法としては、うんちがうまくいかなくても、そのうちできるようになることを知らせ、急がず待ってあげることです。トイレに座ってもらい、そこでちょっとの間、歌をうたってあげたり、楽しい話をしたりして、緊張を和らげてあげる対応を心掛けてみてください。「うんちこわいよ~。」という子どもの気持ちを受け止めてあげることや「トイレでうんちができるようになりたい。」という気持ちをわかってあげることですね。

また、3歳の子どもにもプライドがありますので、自信と自尊心を失わないように、少しずつ励ましてあげることが大切です。

Q

3歳になる女の子ですが、まだおむつがはずせません。
あせらなくても大丈夫と言われますが、このままでよいのでしょうか?
トイレに行こうと誘っても嫌がり、おむつが濡れていてもまったく気にせずに遊んでいます。

A

あせらなくても大丈夫ですが、働きかけていくことは大切です。夢中で遊んでいるときには誘われても嫌がってしまうでしょう。どのくらいの間隔でおしっこが出ているのかを把握し、たとえばその間隔(約1~2.5時間)であれば、その時間を目安に遊びや生活の区切の良いときに誘ってみてはいかがでしょうか?「○○する前にトイレに行こうか?」と、生活の流れに合わせることで行きやすくなりますね。

また、朝起きたときやお昼寝の後など濡れていないときにトイレに連れて行くと、成功することが多く、トイレでおしっこをする経験をしやすいと思います。嫌がるときには、無理をしないようにしましょう。

おむつを取り替えるときにも「おしっこが出ていたね。気持ち悪かったね。」「気持ちよくなったね。」など言いながら、「濡れたままでは気持ちが悪いんだ。」と、お子さんが自ら気づいていけるように話しかけていくこともよいと思います。

トイレに好きなものを飾るのもいいですね。ただし、おもちゃなど気が散ってしまうものは避けましょう。

あまり神経質になったり、長時間トイレに座らせたりするのは逆効果です。短時間でもトイレで座ることを繰り返し、でたときにはとにかく喜んであげることです。「トイレでできたら、大好きなお母さんがこんなに喜んでくれた!」という思いが、お子さんの育ちとなっていきます。他のお子さんと比べず、おおらかな気持ちでその子の育ちを待つことも大切です。

一般的には排尿量が減り、衣服の着脱のしやすい春から夏にはじめるとやりやすいと思います。3歳を過ぎているので、季節を気にせずに、ゆったりとした気持ちで誘ってみましょう。

5~6歳

Q

5歳の男児です。
うんちやおしっこをパンツにすることがほとんどで、いつもパンツがぬれて臭いです。夜も布団におしっこがたくさん出ていることもあります。私が怒ると言い返してくることも多く、イライラしてしまいます。

A

お母さんのお気持ちは大変良くわかります。洗濯物も増えて大変ですね。
お母さんご自身がストレスに感じていて、お子さんに頻繁に確認の声を掛けたり、おもらしをすると叱ったりしてはいませんか?

自立排尿が確立していないお子さんに厳しく接したりすると、より排尿感覚が失われたり、お子さんのトイレに対するストレスが増大することもあります。

お母さんの気持ちを和らげるためにも、まずは専門医に相談し、アドバイスを受けられてはいかがでしょうか。

身体に異常がなければ、家庭ではおむつを付けて自由に排尿出来るような環境を作ってあげたり、日中にしっかりと動いて汗をかくような活動が出来るようにしてあげると、自然におもらしが減っていくことがあります。

学識者による助言

お母さんのおなかの中にいたときは、赤ちゃん自身、おしっこをしても何も嫌な思いはしなかったでしょう。おしっこをすると冷たくなる、臭くなる、肌の気持ちが悪いという事がわかって、その気持ち悪さをお母さんに伝えるようになります。その後、神経の発達とともに気持ち悪い記憶と、膀胱におしっこがたまったという信号が発達して、夜のおねしょが終わります。あまりきつく指導をすると、おしっこやうんちにマイナスイメージを持ち、隠れてしたり、トイレットトレーニングに抵抗することも出てきます。おしっこをしている感覚や、パンツが汚れたということが表現できるのであれば、やさしく「大丈夫」と声かけをしながら待つことも必要でしょう。トイレが恐くない、快適な場であることも必要です。トイレでパンツを汚しても、叱からずに。

Q

もうすぐ6歳になる男子です。
夜尿するのでおむつをして寝ています。最近3歳になる弟は排泄に関して自立できおむつなしで寝るようになりました。
お兄ちゃんということで、おむつを使うことがプレッシャーになるのではないかと心配しています。お兄ちゃんは、まだおしっこの間隔も短く、日中も少し漏れることがしばしばあります。

A

お母さんは、お兄ちゃんの気持ちを考えると…と、ご心配されているのですね。

排泄は個人差が大きいので、弟さんがすでに自立できているのは、おそらく早いタイプのお子さんなのでしょうね。

年齢やきょうだいということで、あまり神経質にとらえずに、大きく構えてあげてはいかがでしょうか。

しかしながら、ご心配されることも分かりますので、あまり変化がないようでしたら、医師に相談されるのも一つの方法です。排泄は身体機能に異常がなければ、その子自身のペースで自然に自立できるものですから、大らかな気持ちで温かく見守ってあげましょう。

成功が増えてきたら、たくさんほめてあげてください。

Q

5歳の女の子です。
そろそろ保育所で「お泊り保育」があるのですが、おねしょをしてしまうのではないかと心配しています。
家では、毎晩のようにおむつが濡れていましたので、病院に行ってみたところ「夜尿症」ということでした。

A

お母さんのご心配される気持ち、とてもよくわかります。お子さん自身も、お泊り保育でおねしょするのではないかと不安になっている様子ですね。まずは、楽しいお泊り保育の思い出にできるように、お子さんが心配しているおねしょについて、保育士に相談してください。5歳の段階でおねしょをしているお子さんは、時々のおねしょを含めると5人に一人はいます。園の先生もおねしょ対策についてはよく理解しているので、お子さんの気持ちを大切にくみとってくれると思います。

日中はおもらしをしたという不快感が、あらかじめトイレに行くという動機付けになりますが、眠ってからの排尿は自己コントロールできない別のことです。夜間に作られる尿量が多すぎたり、膀胱が小さかったりに左右されるので、決してしつけや本人のせいではありません。

お泊り保育の前に、おねしょをする大体の時間を把握しておくと、保育士に相談するときに参考になると思います。最初のおねしょの時間より前に一度起こしてもらうとか(通常は12時前後に起こすことが多い)、お泊まり先の保健室のような部屋で、友だちにわからないように夜用のおむつをつけてもらい、朝、それをはずしてもらうといった工夫もよいでしょう。

また、おねしょの不安がプレッシャーにならないように、日常からスキンシップに心がけ、眠る前には何かよいところをほめてあげたり、うれしい気持ちで心をいっぱいにして、安心して眠りにつけるようにしてあげて欲しいと思います。

このような工夫で安心して「お泊り保育」に参加できますから大丈夫です。お母さんの心配がお子さんに感じとられないようにしましょうね。きっと、そのうちおむつがなくても大丈夫になりますよ。